人類と虫歯との歴史
人間はいつから虫歯に悩まされるようになったのでしょう。
実は体の骨の中でも歯は特に硬いので、化石としてよく残っているのです。
これらの化石を遡っていくと虫歯の歴史が知れるのですね。
今回は人類と虫歯の歴史をみていきましょう。
人類と虫歯の歴史
まず猿人、原人にはほとんど虫歯が見られません。
約10万年ほど前のローデシア人の虫歯を最古と言えます。
これは食生活の変化により、虫歯が生まれたことを示しています。
猿人、原人は狩猟や漁労、木の実狩りなどで食事をしていたのに対し、ローデシア人は農耕をして穀物を作りそれを主食とした食生活をしていたのです。
肉や魚、木の実にはほとんど糖分が含まれていないのですが、穀物には豊富に含まれています。
糖分は虫歯の原因になりやすいので、ローデシア人は虫歯になってしまったのでしょう。
日本でも稲作が始まった縄文時代から虫歯が発見されるようになります。
それに縄文土器を使って木の実を加工して食べられるようになったというのも原因のひとつです。
クリ、クルミ、トチ、ドングリなどの木の実は生のままではアクが強く、渋くて食用に向きません。
縄文人は縄文土器でそれらに火を通し食べるようになっていったのです。
こういった木の実は火を通すと糖質の一種、でんぷん質が増えます。
糖質ですから、虫歯の要因になってしまっていますね。
こうして食品を色々と加工して食べるようになった人類は、進化を遂げていくのですが、同時に虫歯になってしまうという副産物も得てしまうのです。
日本人の虫歯率は時代を経ていくにつれ上がっていきます。
具体的な虫歯率は弥生人は縄文人の倍、現代人は弥生人の倍の30%以上なのです。
近代でも生肉を主食とするイヌイット族の虫歯率は2%ぐらいです。
いかに糖質が虫歯に悪影響を与えているかがわかりますよね。
食事をした後には、特に糖質の高い即時をした後には、必ず歯磨きをして虫歯を予防しましょう。
*今回はこちらの書籍を参考にさせていただきました。ありがとうございます。